あっという間に10月もあと数日。のようなことを毎年言っているし、その次の言葉は「瞬きするように年末を迎える」とかなんとかである。
近年の傾向どおり、秋と夏の中間のような気候が続いているので、日中は汗ばむことも多い。
しかしながら軽装でも心地よいのは老若男女問わずありがたい限り。加えて国内外向けの観光振興策が奏功しつつあるのか、行楽客でにぎわう各地の光景をニュースで目にすることが多くなってきた。
そろそろ一般化するだろうと予想しているのはダークストア(EC専用の倉庫や店舗類似施設の総称)という言葉なのだが、欧米の後追い普及とはならないと考えている。
私はマーケティングの専門家ではないので、あくまで物流現場から世間を眺めて感じたり思ったりすることを書いているに過ぎない。しかしながら国内の倉庫や運送の諸事情と人口動態などを数値から考察すれば、往く道は自ずと限られてくるのではないかと思える。
今年の最低賃金目安が妥結した。
当初の予想通り全国加重平均で31円増の961円に落ち着いたが、過去最大の上げ幅とはいえ「まだまだ抑え気味」の感は否めない。コロナ禍による足踏みがなければすでに1000円近くまで上昇していたはず、、、という内心のつぶやきが脳裏に巡るからだ。
何度となく書いているが、個配便の取扱件数はあと数年でピークとなるだろう。単純に需要が頭打ちするだけでなく、ガリバーたるヤマト運輸が廉価契約の排除を強化するに違いなく、追随する佐川急便も同じ動きとなるからだ。JPに関しては個配事業自体の見直しや譲渡も含めて市場参加者としての存続自体を疑っている。
来週25日の3か月予報を待つまでもなく、本年2月の暖候期予報のとおり今夏も酷暑豪雨の日が多いようだ。今や日本列島の殆どが亜・亜熱帯(亜熱帯に近似した気候)なのだから、この数年来お決まりとなった過酷甚だしい気象をあたりまえとして受け容れるほうが分かりいい。
コロナ禍と戦争の最悪事態の中、さらに天災と名の付くような激甚自然災害に見舞われるのはご容赦願いたいと誰しもがただただ祈るような気持だと思う。
戦争と疫災によって、世界中に閉塞感を伴う不安が漂っている。
まさに降って湧いたような災いの最中にあって、わが国の物流業界は縮小基調とも闘いながら利益確保に尽力せざる得ない。そんな中で欠片のような明るい兆しを模索する毎日なのだが、何をもって希望や未来を謳うべきかを考えるなら、まずは「満足の中身」を再定義する必要があるという結論に行き着く。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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