個配便の今後について、自分なりの予想や仮想や夢想を記しておきたいと思っていた。
数社から関連するいくつかの質問投稿をいただいており、丁度良い機会だった。
独善的で偏向しているかもしれぬが、一個人の独り言として気楽に読んでいただきたい。
EC事業者にとって、「送料コストの負担を誰がするのか」は大きな問題だ。
購入者以上に敏感になっている傾向が強いと感じるのだが、当事者である売手側は聴く耳を持とうとしないことが多い。
過去にも何度かECの経営者に「送料無料ではなく、送料相互負担ではだめなのですか?」と尋ねたことがあったが、ほぼ全員の回答が「それはできない」だった。
試みたうえでの判断ではなく、試みるまでもないこと。
そんな内容だったと記憶している。
配送の問題を書くたびになんとなく気分が重くなる。
増税や憲法改正問題と同じように、文句を言おうが反論や批判の記事を書こうが、結局は抗いようがない要素があまりにも多いからだろう。
国内物流は個配比率が上昇し続けている。ゆえにその市場の効率化のために、IT技術などをふんだんに活用した仕組の開発は進む。
現在当たり前のように存在する、掲題の「着払い」「後払い」「受取拒否」も近い将来にはなくなってしまうだろう。「代引き」についてはもはや説明するまでもない。
正確には「なくなる」のではなく「形を変える」ということだ。
もはや日本ではデフレーションという言葉が意味をなさなくなっている。
原材料費の増加分転嫁と為替要因以外での物価上昇は起こりえない。
実消費を無視したインフレ・ターゲットのゴリ押しは荒唐無稽。それを知りながらの政策なら、不可避である行く末の挫折を伏せての喧伝なのだろうか。
今や越境ECは多くの企業が実施もしくは構築中の状態である。
そして今やその市場は中国に留まらず東南アジア諸国に拡大し続けている。
中国市場については現地法人設立の高いハードルと模造品氾濫などの問題があって、その大半は越境ECという選択肢に落ち着いている状況だ。
加えて中国政府の国策として、自国内消費拡大の大号令の下、国外決済は好ましくないという基調が明確に表れており、中国国民相手の越境商法の将来は現状暗いと言える。
保管料の私見。
極めて独善的であり放埓・極論かもしれないが、記してみたい。
妥当な保管料単価をきちんと説明できる会社は少ない。
一般事業会社、物流関連会社ともに、まずわかっていない。
なので、他社の提示額や「相場という噂話に近い数字」を引合いに出して見積作成する。
「相場」が第三者機関経由の「成約統計」なら引き合いに出す理由にはなるが、残念ながらそのようなものは存在しない。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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