最低賃金は今後も上がり続けるだろう。
雇用は正規・非正規の区別がどんどん薄れ、労働に応じた対価を給与と呼ぶようになる。
社会保険運用基準も大幅に改変される。
物流業界に限らず、WEB上で顧客一覧や業務事例、顧客インタビューなどを掲載するのは常套となっている。
成功事例の紹介や顧客からの好評・感謝・奏功の言葉が並ぶ。
自社の宣伝のために時間とコストをかけてコンテンツ制作しているのだから、好印象・高能力訴求は当然であり、読み手も心得ている。
しかし実際に契約している顧客から吐き出される言葉の大半は、疑問や疑念を含んだものであり、その要因は不信というより不明であって、不満というよりも不安が勝っている。
営業倉庫に業務を丸投げしている企業ほど、その傾向が強いように感じる。
多少デフォルメしているが、例示してみる。
保管効率をさんざん口にしてきたが、裏付けある数値で説明できたことはない。
実は、、、精密な正解がよくわからないのだ。
ぶっちゃけてしまうが、その言葉に誰も突っ込んだり異を唱えることができないから、したり顔でべらべらしゃべり倒していた。
今でも同じように「だいたいこんな感じ」でゆるーく説明している。
― 承 前 ― THE 運賃【1】
契約価格の破綻は自明だった。
物流会社は内心で危惧していたが、こちらから値上げを申し出るなどあり得ない。
荷主は廉い契約運賃に喜んでいる。
業務契約しているECショップの月間出荷口数が全部で3万件だとして、、、
一件に10円か20円、大型品や遠方への発送なら50円から100円ぐらい乗っけて請求できる。
運賃については何年か前に見切りをつけた。
その「見切り」とは、抵抗せずに流れのまま受け容れるという意だ。
ここでは個配料金のハナシに絞って記したい。
もはやひと昔前のことになってしまったが、
「ナントカ急便の担当者が値上げを言ってきた」
と前職時代に営業部の部下から相談を受けた。
そのやりとりが、数ヵ月後の運賃立替請求からの撤退に及ぶのだった。
物流会社にいた頃、数え切れないほどの問合せや見積依頼を受けた。
でも過半の内容は決まりきっていて、中にはげんなりする内容のものも少なくなかった。
本来は「どんな内容でどんな文面や口調でも、問合せはありがたい」と感謝するのが優秀で正しい営業職だ。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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