新しいパート従業員さんが入社してきて、まずは配置される作業場所はどこか。
リフトマン以外の未経験者ならピッキングゾーンだろう。
たとえ経験者であっても、自社の物流現場を理解してもらうためには、入社後しばらくはピッキング作業してもらうことがOJTとして最も有効で業務フローやルールの理解に役立つ。
ゼロ環境という私造語をよく用いる。
机に向かって熟考の末にひねり出したわけではなく、提案書向けに作ったのでもなく、講演などの原稿に記したものでもない。
いつの間にか自身の中に根付いてしまった言葉で、私の物流観の基本となっている。
始業時と終業時の現場状態に違和感がないこと。
できればほぼ違いがわからないぐらいであること。
業務中に管理者が現場巡回したとき違和感がないこと。
つまり、管理者が想定している作業状況や進捗がなされていること。
もし私が現場作業をするなら、どの業務をしたいか。
なんてことを何度か考えたことがある。
「全部向いていない」と思った知人の諸君、次に会うときはセッカンさせてもらう。
、、、、、実際向いていないような気もする。
どの会社でも出荷は気忙しい。
日によっては体も忙しい。
現場は火事場鉄火場修羅場になったりする。
そうならないように各社工夫努力を絶やさないが、決してゼロにはならない。
注文者への納品は最優先業務。
しかもその営業活動の仕上げ。
終わりよくなければ全てよくない。
大波の到来はどこの誰が受けても、時間や処理能力という制限がある限り、タイヘンな状況になる。追い込まれて苦しいし、ミスや未出荷の恐怖から現場管理者は切羽詰る。
まぁ、、、しかし、、、それはそれでいいのではないだろうか
見積書を作るのが苦手だ。
が、人の作った見積書にケチをつけるのは大好きだしタイヘン得意だ。
好きこそ物の上手なれ、なのであります。
営業倉庫在籍時代には、商談開始時に頭に浮かんだ総額の概算が最終見積と5%以上乖離することはまずなかった。
倉庫を持たずに物流業務を丸ごと外部委託したり、自社物流の庫内業務を委託している会社のほとんどは、すでに自社で内製化できる素地が相当に整っている。
少し乱暴に聞こえるかもしれないが、現実には委託先に上手く使われている状態が常であるからなのだ。
チャリンコでこけると痛いし危ないので、補助輪つけて走っているうち、外してもゼンゼン大丈夫になっていた。
それどころか、いつのまにか自社が委託先の品質維持やら効率性維持や宣伝用素材のための補助輪になっている、というようなホラーみたいな実話がよくある。
いつから?
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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