一般事業会社に多いが、物流部門を営業本部にぶら下げたり商品本部に置く組織構成がある。営業本部パターンはキーが「顧客」、商品本部なら「商品」になる。
忌憚なく申し上げれば、どちらもお薦めしない。
営業倉庫を運営する大多数の物流会社の業務フローは並列化されている。
顧客別にフローが存在し、一見すれば受託業務内容別に設えたようだ。
しかし各業務フローを重ねてみれば、大部分が一致するはず。
重ならないように見える部分の大半はちょっとした加工で統一もしくは二分できる。
検証する場合にはチャート化して重ねてやれば一目瞭然になる。
営業倉庫にいた頃の記憶から消えない仕事。
それは圧倒的に「できなかった案件」が占める。
単純に見積負けしたり営業負けしたりは悔しさを芯とする「わすれまじ」なのだが、そんなのは少しばかりしかなく、残りの大半が「したいけど無理だった」だ。
泣きながら撤退と胸中しんどかったものばかりが記憶に残る。
今や越境ECは多くの企業が実施もしくは構築中の状態である。
そして今やその市場は中国に留まらず東南アジア諸国に拡大し続けている。
中国市場については現地法人設立の高いハードルと模造品氾濫などの問題があって、その大半は越境ECという選択肢に落ち着いている状況だ。
加えて中国政府の国策として、自国内消費拡大の大号令の下、国外決済は好ましくないという基調が明確に表れており、中国国民相手の越境商法の将来は現状暗いと言える。
モノを扱う業界ではOEMやPBによる商品調達はごくごく普通の手法となっている。
なのになぜ物流部門では自社設計による規格の業務を委託するという明確な区分けが存在しないのだろうか?
外部委託にあたっては自社の詳細な要望を伝え、それに応じた提案がなされる。
しかし、委託側が伝えている内容は往々にして答のみであったり対処であったりする。
咳が出て辛いから薬をくれと要望し、相手は相応の処方をする。
症状が治まって楽になれば「なぜ咳が出たのか」は考えなくなる。
自分のやっていること、やろうとしていることに名前をつけるとしたら、どんなのがよいのだろうか?
凄腕のコピーライター殿にお願いしたいが、お支払しなければならない報酬が身の丈に合わないだろうから諦めよう。
コンサルなんて呼ばれるのも称するのも違和感だらけだが、世間に説明するには当面の便宜上、不本意でも甘んじるしか致し方ない。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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