現場管理者にとって、パート従業員の年収調整はややこしくデリケートなモンダイだと思う。
103万、106万、130万、150万、201.6万、調整なし――のように居並ぶ「年収の壁」と呼ばれる切実な事情が現場従業員のそれぞれにある。
整理整頓すれば特別難しくないハナシなのだが、往々にして「いくらまでならどうなるんだっけ?」という会話が管理者諸氏の口から洩れることも少なくない。
どこの現場でも必ずいるのは、メシの後に日陰でヒルネするスタッフだ――かくいうワタクシも外昼寝は大好きである。往々にして一時間ぐらいグッスリしてしまうのがダメダメなのだが。
20分ほどの短い午睡は心身に良いそうだし、なんといっても心地よい風がそよぐヤードなどの片隅でのひと時は、物流現場ならではの楽しみでもある。
つまり丁寧な観察と分析と判断をアタリマエの基準で迷いなく行えれば、その組織本来の能力が勝手に発動するだけのハナシである。人体に自己免疫や自然治癒力が備わっているのと同様に、物流現場にも本来の自浄力や回復力や推進拡張する能力が必ず潜在している。
私の仕事はそれを引き出しているにすぎず、業務関与している時間の中で、ためになるハナシや秀逸な技術論などは皆無に近い
中高年から前期高齢者(もはやこの呼称自体が奇異に聞こえる)となる65歳あたりのゾーンをいかに戦力化するかは、自動化・機械化の普及と表裏一体となるはずという意でもある。
作業方向が一方通行で登録済み定型データの認識が原則の自動作業や自動識別には、それ以外のイレギュラー作業、目視や触感による判別業務をすくい取って捌く補完機能が不可欠だ。
「強い物流」という言葉を至上とみなして内心に掲げ、今までヒィヒィぜぇぜぇ励み、ブツブツと小言をつぶやいてきた。
この言葉が好きな理由は、関与する事業者によって「強さ」の中身が千差万別であるからだ。そして規模や数量などの比較だけでは評価できない価値観であることもしかりだ。
企業動向の変遷は、物流現場にも少なからず波及して然りである。
ただし「今さらかいな」と現場人たちが苦笑交じりになるのは「貸与物と支給物の明確な線引きと管理」についての社内規則や注意書きが大仰に掲示される場面だと思う。
在庫管理と備品管理が業務品質として徹底されている物流倉庫内では、会社からの貸与品紛失≒出荷物への混入=受領者からのクレームもしくは不信、となる可能性が非常に高い。
ゆえに常日頃から作業に必要な備品類の管理は徹底されている。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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