倉庫内の洗面所支配率に関しては、男性の劣勢が明らかだ。
造りとしては男女同数になっていても、利用者実数は圧倒的に女性が多い。
というか、作業倉庫ならほとんどが女性で占められる。なので多くの倉庫では男性用の看板に女性用か男女兼用を上貼りし、兼用の場合には「ただいま女性使用中」などの吊り下げプレートが設置されていたりする。
一般の方々に限らず、物流関連の人間でも「ややこしいなぁ」と眉をひそめることがいくつかある。
たとえば「入荷」に関しての言葉がそれにあたる。
掲題の入荷待ち、入荷予定、入荷次第は微妙に違うのだが、表記や意味のみならず、現場によっては時間や作業区分の違いにまで及ぶ。
紛らわしいことは不親切であり、誤解や不信の元となりかねない。
ロケーションの切り方は入出荷作業に大きく影響する。
したがって、保管物によってはたいへん悩ましい。
現場責任者や担当者は「どうすればいいのか?」ではなく「どちらにすればいいのか?」の岐路に立って唸る。業務フロー設計者が別にいる場合でも悩ましいことに変わりない。
この数年来モーダルシフトという言葉を目にすることが増えた気がする。
国土交通省・環境省などの大手物流企業向けプロモーションが寄与しているのかもしれない。
とはいえ、一般的には耳慣れない言葉の類のままだと思うし、字面や音から意味や効果を連想できないことも普及が進まない一因となっている。
物流関連企業および部門の人手不足は慢性化しているので、他業種に比べて耐性が強い。
という内実のハナシを厚労省の統計に絡めてLOGISTICS TODAYに寄稿したのは先週のこと。
今回はその派生記事だと思っていただければわかりいい。
業界・職種を選ばない要素も多いと思うので、そこのところを少し深堀りしてみたい。
物流部門は品質管理と事業推進の最終門番。
門を出たその先は顧客の領域か、自社と市場のまじりあう汽水域になる。
そこは満足や納得、安心や信頼という巨大な岩壁が立ちふさがる難所。
創業以来の経営理念と事業沿革の中に、座礁せず航行する方策が記されている。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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