去る6月19日午後3時過ぎ。
北陸道の小矢部ICを過ぎてまもなく、スマートフォンから突然発せられた災害警報。
高速道路を運転中に具体的な事態把握ができない不安が重なって、普段以上に気が動転した。助手席の家人が「大きな地震。珠洲市で震度6弱」と読み上げる声に相槌を打ちながら、減速して運転を続けたのも束の間のこと、前方の車がハザードを点灯し急減速した。
たいして忙しいわけでもないのに、なぜか騒めいた空気が漂っている、、、そんな気がするのは私だけなのだろうか。
蒸し暑く、梅雨空の連続となりそうな天気予報が抜けの悪い心境の暗喩となっているようで、「なんだかなぁ」と呟いたあとは口をへの字につぐんだままで過ごしてしまう。
誰もが食傷気味なのは承知しているが、値上げ関連のハナシを短く。
春先以来の全方位一斉値上げによって個人も法人も出費増一色だ。
おまけに今夏も酷暑で、高価な電気がたくさん必要になるようだ。今から節電警告を発しておかねばならぬほどひっ迫が予想されており、「金を出しても電気が買えない事態になる」という危惧を皆々抱いておくようにというのが先日リリースされた政府広報だった。
今さらだが、運送業界の人手不足は深刻を通り越して、不可抗力的な事実として受け止められている。単なる労働人口の減少に比例しての自然減――というのは要因の一部に過ぎず、多くは業界が自ら招いた因果の報いに見舞われているのだと思う。
それはドライバーに限らず庫内作業者にもあてはまる。
読者諸氏ご承知のとおり、来月から多くの「再開」が実施されるようだ。
長かった規制一辺倒の時は終わりを迎え、場所や時を選んでの制限や回避を同居させながらの活動再開の流れはもう止まらないだろう。
海外からの来訪者受入れには、ビジネスや留学はもちろんのこと観光需要の取り込みが大いに期待されている。円安による来日旅費とインバウンド消費の割安感という追い風が吹いているのは改めて説明するまでもない。
来週25日の3か月予報を待つまでもなく、本年2月の暖候期予報のとおり今夏も酷暑豪雨の日が多いようだ。今や日本列島の殆どが亜・亜熱帯(亜熱帯に近似した気候)なのだから、この数年来お決まりとなった過酷甚だしい気象をあたりまえとして受け容れるほうが分かりいい。
コロナ禍と戦争の最悪事態の中、さらに天災と名の付くような激甚自然災害に見舞われるのはご容赦願いたいと誰しもがただただ祈るような気持だと思う。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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