なんだか急に暖かくなってしまった。ついこの前まで異常低温やら線状降雪帯のハナシばかりしていた気象庁だが、一か月予報ではちゃっかり「3月は高温傾向」と報じている。
延々と続く長い夏と変化激しい冬に圧されて、春と秋の領域は年々小さくなってゆく。
今年もゴールデンウィークあたりからいきなり夏季が始まり、そのまま半年近くダラダラと暑気が居座るのかと思うと憂鬱この上ないのだ。毎度書くが花粉も黄砂も要らん。
前掲ではヒルヤスミ無しの通し勤務や2時間以上の昼休憩を挟む勤務形態のハナシをした。
ヒルヤスミの問題はヒルメシのそれと表裏一体なので、勤務形態の多様化はヒルメシ問題に大きな影響を及ぼすのだと書いた。今や各地の物流や製造の現場で、個々の事情による一進一退を繰り返しながらも、拡がりをみせているようだ。
久々にヒルメシのハナシを書くのだが、今回はちょっと趣が異なっている。
それはヒルメシの前提条件となる昼休みの存在自体が見直され始めた、または見直したという動きが目立つようになってきたからだ。「やっと導入したか」という内心のつぶやきは、若き日に見聞きした欧米の労働拘束時間についての考え方への共感に起因している。
いわゆるレス言葉の始まりは「コード」「シュガー」「キャッシュ」「キー」「ペーパー」あたりか?としかめっ面でブツブツ言いながら書き始めている。
チケットレスやカード会社のCMで流行ったプライスレスなども結構な古株だろうが、〇〇レスというたくさんの造語が人々の日常に違和感なく混じるようになって久しい。
今冬はあんまり雪が降らないなぁ、と思い始めていた先月中旬までの内心を見透かして裏切るような先週の大雪だった。
近畿では最も温暖とされている和歌山県でも、積雪と路面凍結による車両の立ち往生や滑走事故が相次いで発生した。冬タイヤに無縁の土地柄ゆえの大混乱だったようだ。
拙稿で書くまでもなく、国内経済の冷え込みは深刻だ。
専門家が指摘しているとおり、超長期デフレーションを常態としたままの頭打ち消費社会にコストプッシュ型のインフレーションが足下からせり上がっている。なので無体としか言いようのない生活コスト上昇を、なす術もないまま受容せざるを得ない――というのが巷の声として最多ではないかと思う。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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