物流よもやま話 Blog

餅 屋

カテゴリ: 経営

本年もよろしくお願い申し上げます。

私生活では年賀・暑中見舞市場から撤退してはや23年。
取引先には会社が勝手に出してくれていたので、最新の名簿確認のみ。
年始挨拶は営業上の約束事として回っていた。
訪問する側も受ける側も「こういうもの」と、ほどほどの会話でそれなりに。

そこそこの値段の中元・歳暮。
ちょっとしたお茶請ぐらいの年始小提。
実はそんな余分こそが経済の循環には適当で不可欠なご祝儀だったのだが、今や過去の遺物となりつつある。
虚礼が廃されて合理的でお金も時間も倹約できる。世知辛いなんていう言葉は死語に近い。

もはや金は天下を回らない。
遣わないから巡らない。
余禄、見舞、粗品、付合、心付、寸志、愛想替。
そんな文字が辞書から消えませんように、と切に願う。

愚痴めいたハナシは置いておいて、なにはともあれ本年も拙ブログにご来訪下さいませ。
結構本気で書いているつもりなので、楽しみながら読んでいただけると嬉しいです。
では、本年第一稿であります。

 

一般事業会社からみて線引が判りにくいのは、検品・加工・作業・保管・運送の業務を一か所または一社でまとめるべきなのか否か、ではないだろうか?
直感的に「一か所・一社にまとめたほうがよい」と答える会社がほとんどだろう。実態としては任せている一社を通じて、内容によっては違う会社が作業請負していることが多いのだが、そこまで意識する荷主企業はあまりない。
他の事業会社に置き換えて考えてみたら?
例えば製造業。
原材料の調達、加工、組立、仕上、保管、在庫管理、梱包、出荷、を一社単独で完遂している会社はどれほどの比率なのか。
あんまりないんじゃないのかなぁ。
が私の素人考えであるがどうだろう。

物流業界には一社で全てを請負う会社はたくさんあっても、全ノウハウを内製化できている企業は皆無だと思う。
私の勝手な独断であり、実態を綿密に調査したわけでもない。
そもそもそんな情報は開示されるはずない。
悪いとも思わないし、業務をアッセンブリーすることはどの業界でもあたりまえだ。

ただ餅は餅屋で買って欲しいなぁと思う。
運送系の会社に肌理の細かい検品や加工仕事はミスマッチであることが常であるし、流通加工が強みの会社に運賃や保管料を問い合わせるのは全く違う。
しかしながら検索してみると「総合物流」と謳っているし、どの会社が何を得意としているのかが判別できにくい。
会社概要内の沿革を読めばある程度判るが、売上構成比までは開示されていないことがほとんどなので、業務メニューから判断するしかない。
手前味噌で恐縮だが、そんな選別・選択をするにあたっての補助役としてロジ・ターミナルは存在する。特定企業やネットワークにまったくしがらみがないので、依頼主の事情に最適な選択を助言できる。年明け早々、宣伝でモウシワケゴザイマセヌ。

あくまで物流会社に関してだが、得意業務はたいていが合理的な価格設定になっている。
そうでないものは割高な値付けとなる。
つまり良くて廉い、悪くて高い。見積はそんな凸凹の組み合わせでできている。
中には素晴らしいバランスの見積を出す会社もあるが、それは契約優先で利益目論見を下げているか優秀な下請けを持っているか、のいずれかだ。

委託先の内実についても、スポットのイレギュラー業務の見積で露見する。

「実はこういう仕事は苦手なんだな。請けたくないのかもしれない」と気付く。

スポットが通常になり、イレギュラーがレギュラーになることが見込める場合はどうだろう。
そのまま委託し続けるのか、新たな委託先を探すのか。
各企業の判断と意思決定の岐路かもしれない。

企業経営者や業務責任者に申し上げたいのは「良い物流は高くならない」ということ。

物流品質とそのコストは反比例するものだと信じている。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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