地方自治体が物流機能を中心に据えた事業計画を策定する場合、二つの要素が必要であると前章までで説明した。
・食料品や日用品などの生活必需品の確保
・域内にくまなく物資がいきわたるルートや手段の用意
さらには、生活用品を入手する行為そのものが、日々の日常会話や交流のもとになっているのであればなおよいと考えている。
― 承前 ―
人が生きる上で、衣食住と水道光熱の確保は基本的なことだ。
そして家庭のひとまわり外側にある地域という社会生活の単位もしかり。
なぜならそこへの所属意識やコミュニケーションも欠いてはならないものだからだ。
「つながり」「やりとり」「ふれあい」などに姿かたちはない。
しかしながら家族や家庭だけでは得られない「大切なもの」はそこから生まれる。
― 承前 ―
大都市圏から離れた地域にある市区町村などの自治体は、物流機能を中心に据えた公共性の高い事業を検討項目に加えるべきだ。
一石二鳥どころか三鳥以上の効果を期待できる。
俗にいう三層構造の最下部に位置するとされる市区町村。視点を変えれば「行政の最前線」と表現できるし、そのほうがはるかに好ましい。なぜなら常に「住民生活の現場」での業務に勤しんでいるので、地域の実態や動向を目の当たりにしているからだ。
ローカル・ロジスティクス。
それは「地域物流」「現地物流」という意からさらに掘り下げて、「生活総合物流」または「自治体物流」という補足説明を追加したほうが適当だと考えている。
またまたヘンテコリンな造語を言い出したと呆れられそうだが、前々から主張してきた内容の続編だと思ってお読みいただければ幸いだ。
いきなりで恐縮だが、早寝早起きの部類に属すると思う。
この原稿を書いている今は5時前。毎日ではないが、珍しいことでもない。
そして今朝もまた弊社WEBを閲覧している御仁が、、、今はお二人。
他人様のことを言えないが、「こんな早朝に…もうちょとオモロイのをみればいいのに」などと心配してしまう。
過去に何度も記しているとおり、国内の倉庫床面積は完全に余剰状態となっている。
ごく限られた一握のプレイヤーたちが掲げる次世代型新設倉庫への需要。
ほとんどの事業者や生活者の日常感覚からはかけ離れた「順調な着工・竣工と好況な契約進捗」が次々と発表されている。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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