ある程度の場数を踏んだ物流屋ならば、業種業態と売上および利益率と客単価など数項目の概数を聴けば、速算で必要な床面積と必要人員数が出せるはずだ。ということは物流コストも「なんとなくこれぐらいの幅に収まるだろうなぁ」と浮かんでいるはずで、その数値は詳細なヒアリングの後各作業項目に単価を設定して算出した数値とたいして誤差はないと思う。
鬼のような速度と馬力でピッキングなどすれば、「おぉ~」と驚愕まじりの称賛を得られること間違いないし、コンテナのデバンニング時にはおそらくきっと英雄扱いされるだろう。
私の関与する現場での実話だが、社会人運動部の面々が物流現場で業務に就くと、その体力に物言わせる処理能力に驚愕し称賛する言葉が数多く与えられる。
毎度の持論で恐縮だが、日本の労働スタイルは米国ではなく欧州諸国を参考にするべきだと思っている。なかでも蘭独については、物流技術先進国の地位に在って久しく、同時に働きかたの創意工夫もまた先進的だ。労使間の程よい妥協が絶妙な全体最適化の前提条件となっているだけでなく、労働価値を業務以外の生活時間と連動させて測定している点が秀逸である。
荷主向けの物流セミナーや研修時に、物流会社とその提供サービス内容による区分のハナシをすることがよくある。関連しての質問が数多いことも毎度である。
レジュメの一部ではあるが、以下のような項目と説明書きが並んでいる。
【物流小売業】→物流業務を仕入れたい事業者向き
物流業務総合小売、EC物流業務専門店、物流トラブル防止技術販売
「2024年4月に物流危機がやってくる。モノが運べなくなる時代にわれわれはどうすればよいのか」というノストラダムス的「コワイコワイ念仏」の中身を解説してみた先週。
「わが社の社員や身内には絶対させたくないようなヒドイ労働条件のもと、安く速くモノを運んでくれる都合のいい運送屋の従業員の働く時間が減るので非常に困っている」
もう一週間、、、というつぶやきのような不肖ワタクシの愚痴はどーでもよい。
前掲に続いてのハナシを始めなけばならない。が、先週の時点ではものすごく書く気満々だった憤懣(ふんまん)まじりの主張が、週明けと同時に激しく意識低下しているではないか。
「いったい何に対して怒りや不満を抱いていたのか」を正座して思いだす作業から取り掛かり、
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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