市場での評価や勝利という言葉が指し示す意味は時代と共に変化してゆく。
長期的な基礎的条件の予測によって、勝ち方や生き残り方の舵取りが左右される。
近年は以前にまして「構造」と「情報」という要素が企業業績に大きく関与している。
制御が難しい「構造」や、毒にも薬にもなりえる「情報」というナマモノをどう扱うかは、業績だけでなく内部統制にまで大きな影響を及ぼす。
物流業務はその中核である合理的で機能的な業務フローの運用と計画的なOJTの徹底で一定の成果が得られる。
背後にコンパクトで単純なWMSを走らせてやれば、効率と正確性の並立の助けになる。
庫内システムのチェック機能に依存することは厳禁だが、人的ミスやエラーに対する保険として手当てできることも事実。
しかし、あくまでもバーコードなどの「デジタルインフラありき」でのハナシである。
自社商品のさまざまな意匠や差別化・品質管理・イメージへの徹底したこだわり。
自社顧客の各種属性や購買動向の把握・分析・対処・使用感の情報収集には熱心。
なのに、なぜ物流業務の「自社規格」を設計しようとしないのだろう。
物流は「宣伝」「集客」「販売」の仕上げなのだという意識が持てないからなのか?
取扱商品はOEMやPBがあたりまえなのに、なぜ物流は既製品を仕入れて済ますのか?
企業の物流業務は外部委託が主流である。
自社倉庫運営にあたり、作業請負業者と契約したり、3PLに丸投げしたり。
言い回しや理由付けの順番に違いこそあれ、どの企業も似たような実態や本音を抱えている。
毎度毎度の私見・私感だが、EC企業の物流に対する価値観は3パターンに大別できる。
あくまでざっくりと区分しているので、足らずやはみだしが多々あることは承知している。
委託と内製の違いはあっても、物流に対する根本的な考え方や捉え方は、普段の言動の積み重ねから隠しようがない。
10年ほど前に近畿エリアのとある地方自治体に招かれた。
特産を記せば誰でも知っている市で、歴史的にも有名。
もはや記憶におぼろな「ふるさと創生事業」の際にはお手本ともてはやされたのだとか。
中核となっている市が近隣の市町村を合併し、面積も人口も拡大した。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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