いきなりで恐縮だが、早寝早起きの部類に属すると思う。
この原稿を書いている今は5時前。毎日ではないが、珍しいことでもない。
そして今朝もまた弊社WEBを閲覧している御仁が、、、今はお二人。
他人様のことを言えないが、「こんな早朝に…もうちょとオモロイのをみればいいのに」などと心配してしまう。
しかしながらその反面、 ‘ 端っこの時間帯 ’ に拙サイトをご来訪いただく皆様には「似た者同士だなぁ」と親近感が強まるばかりなのだ。
早朝や深夜は静かで電話やメールに対応しなくてもよい。
つまり読み物や調べ物、書き物などに好適な時間である。
私の場合、未明から11時頃までにその日の仕事の大部分を処理するのが常だ。
出張や午前中の外出予定がある日を除いて、この四半世紀あまりはそうやって業務をこなしてきたので、今や日常生活のリズムとして完全に定着してしまった。
テレワーク中の読者には、電話や対面会話のない就業環境がいかに効率よく集中できるかを体感している方が多いのではないだろうか。そこからさらに突き詰めてゆけば、テレワーク云々以前に早朝深夜は1時間をまるまる1時間として仕事ができる貴重な時間帯だと再認識できる。このような時勢の今も後も、出社してもしなくても、端に寄せた時間の過ごし方をご検討されてもいいのではないかと思う。
同時に、平素時間を費やしている「要らないこと」の存在を思い知る機会でもある。
自分の「必要業務時間」や「実質労働時間」のざっくり平均値が浮き彫りになる。
「テレワークを導入すれば、本当に働いている人とそうでない人が判明する」
は、この数年来のビジネスコラムなどで目にする言葉だが、はたして読者諸氏の会社ではいかがであろうか。
コロナ脅威によって事業停止や縮小、遅延・延期などを強いられている数多の企業。
しかし組織運営や労働管理・成果品質評価などの重大な問題点が顕在化する想定外の契機ともなっている。いわゆる「ぜい肉業務」の過多を突きつけられている組織が多いようだ。
もう一歩踏み込めば、そのぜい肉らしきものは、内臓脂肪なのか皮下脂肪なのかを見極めなければならない。もし内臓脂肪の比率が高いなら、重篤な疾病を招く危険性は高まる。
現在の物流業界に多いのは、本社などの事務機能のみがテレワーク適用対象、現場は業務別時差消化などで可能な限りの「分散」を維持しながらの出勤継続という構えだろう。
天災や疫病に見舞われた時、物流の担う役割と存在の重要性を再認識するのが世の常だ。
それはそれでよいと思うし、「モノが買える・届く」があたりまえの日常こそ平和で確かな時間を過ごしている証でもある。
今回のような未曾有の疾疫発生時にあっては、行政も事業者も意識して連帯しつつ、生活維持や不安解消のために物資の供給を途絶えさせてはならない。
「兵站」という言葉を死守するべく物流現場は身を挺してでも稼働を続けている。
それは我々の誇りであり、物流人の責任という自尊心がもたらす意志だ。
「いつもどおり」「何も起こらない」を支えるために物流のプロフェッショナル達はいかなる時も標高ゼロの「あたりまえという名の山」を登り続ける。
お付き合いのある各社からは厳しさを増す経営の現状を訴える声が届く。
幸いなことに、既知の経営者達は苦境にあって、ゼィゼィひぃひぃ言いながらも、やせ我慢して「大丈夫。この試練がうちを強くする」と泣き笑いしつつ胸を張る。
ただただ立派であると無言のままうなづくのみだ。
そして、同時に苦しくもあり焦燥感に駆られる。
自身の役割を全うすべく、できる限りの協力をしなければならない。
経営者の開き直りと度胸の裏地に、冷静で的確な判断の材料を縫い合わせることが私の仕事。
そして物流が自社の重要な業務であることを再確認していただく機会ともなるからだ。
「物流屋なめんなよ」
と過去に何度も唇をかんできたが、「ではお手並み拝見」と時代が手招きしている。
「ここはひとつ、、、やってみようじゃねぇか」
と圓生師匠のように鼻をすすり上げながら小さく見栄を切る。
なんてことを机で練習している場合ではない。
親愛なる皆様、私も精一杯やらせていただきます。
今後ともどうぞご贔屓に。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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