先月のハナシだが、またもやスットコドッコイな受け答えをやらかしてしまった。
とある物流改善にまつわる一連の遣り取りを聞いて、「実に的確で素晴らしい意見です。いやはや目からうろこが落ちるような内容ですね」と素直に感動しつつ返した。
それを聞いた相手は「・・・あの、その、これは永田さんの書かれたコラムをそのまま転用しただけです」と思いっきり困惑しつつも、最後は苦笑まじりに返答していた。
多様性とは機能集団としてのルールや協調に先んじる自由のことではないし、他者との差異を第一義に置く価値観でもない。それは一定の制限や自己抑制や協調のあとに残された個人の領域で表現されるものであって、その範からは一歩たりともはみ出せぬ。
言うまでもなく個人の領域に他者が立ち入って妨害や拒絶や批判も許されぬ。
この数年来、新たに発売される物流機器やシステムに対して「もういいってば。そんなに斬新で挑戦的で画期的でなければならんもんか」と呟くことが多い。
その愚痴や辟易は自動車のデザインや機能にも感じている。安全を追求する開発については大賛成だが、環境寄与念仏や装備充実合唱が過ぎるのはいかがなものかと思う。
今やレジの無人化は必達目標となりつつあるらしい。
という言葉を何度となくつぶやくようになったのは、米国の小売市況や市場参加者たちの投資主眼を知るべく情報収集することが常となってからのことだ。
わが国でも「最先端技術」「未来の店舗では」などのニュアンスのまま、来るべき明日のハナシとして取り上げられることが多いが、現段階では小売り先進国から「貴国はもはや周回遅れに近い状況なのですよ」と嘲笑されても致し方ないようだ。
この原稿を書いている今は20日火曜日。強烈な台風が通り過ぎ、夜明けとともに天候が回復してきた。風はまだやや強いものの、非常にさわやかで涼しく、秋の気配が漂っている。
事前の警戒報道が有効だったようで、近畿地方は大きな混乱なく連休明けの今朝から通勤や通学の日常を取り戻している。
ゴールデンウイーク後半は天候に恵まれているせいか、近所の公園でさえ混雑する毎日だ。
この数年の傾向としてバーベキューを楽しむ人々が目立つ。テントが張れる場所では、まさに「テント村」という様相の密集状態となっており、屋外レジャーの大流行がうかがえる。
ただし、離れ眺める者には街中よりも過密化している異様さのほうが勝ってしまうのだが。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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