一定規模以上の工場では、その建屋の前後に物流機能が付帯していることが多い。
物流現場が工場隣接なら、製造直前に資材や部品を最短動線で過不足なく供給できる。
製造後も生産ラインの進捗に合わせて保管と出荷の手配を行えるのでこの上なく合理的だ。
製造の前後に位置することによって微調整や段取りが組みやすくなることは明白で、いわゆるカンバン方式はその究極の形とも言えよう
荒天は物流屋の敵である。
交通機関の計画運休と事業所の臨時休業は定着しつつあるが、未だ物流業界内で徹底浸透できていないのは「暴風雨雪・凍結が予報されている日は出勤させない」だと痛感している。
荷主やその委託発送者が顧客や委託受領者へ事前に「こういう場合はこうなります」という説明をし、了解を得ておけばよいハナシなのだが、そのあたりが徹底されていない。
確かにプロとアマの違いを“できたこと・できていないことの数え方”で説明してきたが、併せて「プロはできそうもない事案は手掛けない」ことも添えたはずだ。
つまり勝てる喧嘩しかしないし、その見立てこそが玄人たるゆえんなのだ。
加えておきたいのは、できていないことを数え見限る玄人の厳しさと仕上がりへの執念を支えるモノは精神的な安定と自己肯定の厚い下地なのだと今一度ご理解いただきたい。
私には起点となる「自分」がなかったのだろう。起点がないのだから走っても歩いても跳んでも這っても、「どれぐらい進んだのか」が自他ともにわからない。
なので自身では「あれもこれもぜんぜんできてない」、他者からは「いつも忙しそうだ、ということ以外はよくわからない」となってしまっていたのかもしれない。
「強い物流」という言葉を至上とみなして内心に掲げ、今までヒィヒィぜぇぜぇ励み、ブツブツと小言をつぶやいてきた。
この言葉が好きな理由は、関与する事業者によって「強さ」の中身が千差万別であるからだ。そして規模や数量などの比較だけでは評価できない価値観であることもしかりだ。
上述のような達者な自社物流倉庫でも「制服における靴のモンダイ」には四苦八苦で紆余曲折のまま今に至るのだという。読者諸氏はすでにお察しのとおり、作業内容や歩行距離によって靴の善し悪しの評価が違ってくるからに他ならない。
で、そんな厄介事を解決したのは、ひとりの若手現場担当者だった、、、プロジェクト・バツ、じゃなくってプロジェクトxさながらの、、、てなハナシでもなかったようだ。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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