物流よもやま話 Blog

普通の金曜日

カテゴリ: 余談

今日はまだ三が日だということは承知している。
が、特別めでたい出来事やハナシも耳にしないので「あけました」とだけ書いておく。
読者諸氏の中に「もう、めでたくてめでたくて仕方ないのじゃぁ~」というお方がいらっしゃるなら、謹んでお祝い申し上げる。
けっして不機嫌というわけではなく、悪意もなく、屈折しているわけでもないので、悪しからず誤解なきようと言い添える次第だ。

実は暮れから今に至るまで、まったく変わり映えしない毎日を過ごしている。
おせちも単品を数品。あとはカレーやらパスタやら。
年末年始のテレビはごく限られた番組しか観ないし、映画耽溺期間と決めているので、あっという間に数日が過ぎる。
今日は金曜日。
だが、よもやま話の更新日であること以外の予定事項はない。
いつもの時間に起床し、朝のルーティンが終わったら、掲載予定記事の原稿や連載企画案の検討などにとりかかる。
各種データの検証などもやらなければならない。

昨年の正月もこんな感じだったと思う。
残念ながら、三が日の記憶が全くないに等しい。
2019年新春、大学駅伝の優勝は、、、ええっと、、、うーん。青学負けたっけ?
のような体たらくなのだが、これはずいぶん前からの「すぐに忘れる」病であるゆえ、年末年始の何物も影響を及ぼすものではない。
なので、明日からは普通の週末だし、明々後日はいつもの月曜日なのだ。
もはや私のような年末年始の過ごしかたは特別珍しくないはずだ。
テレビ番組と恒例行事と買い物から解放されてしまえば、時間の流れかたは自ずと変わる。
特別な行事が不要なのだから普段通りの暮らしが保たれる、と書くほうが適切かもしれない。

季節や節句ごとの行事と休暇が一斉ではなくなり、労働曜日や時間の多様化が進む。
過酷な夏季の気候と年々頻度を増しつつ苛烈になるばかりの台風などによる暴風雨。
空調のない施設や屋外での日中労働の回避と災害予測による交通機関をはじめとするインフラの計画運休に伴う業務停止。
奇妙な名称の休日を増やしたりしなくても、夏季休業日数の長期化をはかれば多々都合よく収まりそうではないだろうか。「酷暑休日2週間」「台風休日3回分の合計1週間」を7月から9月までの3か月程度の間に実施、のような。
また、気候の良いGWや秋の連休は行楽などの休暇に好適であるが、同時に労働するにはもってこいの気候でもある。
余暇の過ごし方も、もはや一斉行楽・一斉外出・一斉帰省というわけではないだろうから、かつての連休期間や年末年始などに労働することを厭わない人々が増えるはずだ。
「混んで割高な時期は自宅で過ごすか、仕事するほうがいい」と割り切る人数が結構な割合になると想像している。

烈暑のオリンピックを迎える本年。
観戦方法の別はあっても、開催期間に合わせて長期休暇を取得もしくは企業が特別休暇期間を設定し、皆で楽しむことが今夏の過ごし方として好適ではないかと思っている。
「あんまり興味ないなぁ」という人々は、五輪休暇に便乗して、個々の好ましいと感じる過ごし方をすればいい。
屋外競技の現地観戦者たちは、仕事以上に過酷な耐熱・耐暑時間を過ごさなければならない。
相当の試練に近い経験となるかもしれない。
仕事でエネルギーを消耗していては、観戦にまで回す体力と気力が間に合わなくなる。
おそらくは平均的な最高気温35度、最低気温28度、足して63度という炎熱地獄の中、体罰に近い試練のようなオリンピック観戦となるだろう。
仕事などしている余裕はないのだ。
五輪後の景気など考えないようにするためにも、休暇を取って無我夢中で応援して楽しむ。
そのためにも企業側の理解と対応を願う。

12月に入ると、なぜかソワソワわくわく感が増しつつ、街中に流れるクリスマスソングや装飾に胸躍らせる。
クリスマスにピークを迎えた賑やかさや華やかさを経て、バタバタと年の瀬の行事が続き、大晦日へのカウントダウン。
厳かなゆく年くる年を観終えたら、もはや正月一色。
あれほどガヤガヤイキイキセカセカしていた暮れの数日間から、急ブレーキを踏むようなドンくさくボーっとした時間の続く三が日。
その落差こそが年末年始の常だった。初詣ぐらいしか外出する用事はなく、正月休みの繁華街は人通りも閑散として、普段の倍近い「正月価格」になったコーヒーを出す喫茶店ぐらいしか営業している店はなかった。
そんなひと昔もふた昔も前のことなど、若者たちには想像がつかないだろう。

大晦日と元旦という連休ぐらいが関の山になった商業施設。
世の中は決まり文句を合唱しつつも、通常の週末程度にしか歳変わりの時を扱わない。
それに倣う企業の数も増えるはずだ。
通勤も食事もまったく変わりなく過ごせる年末年始。
初詣?
そんなに信心深いなら、普段から「お得意様」になるべきだ、と自身に言いきかせてきた。
店商売と同じである。
常連にはそれなりのサービス内容と見返り便宜を。
神仏には通じないのだろうか?

もしも、1回2回と3回とたくさんに差がないのであれば、ゼロ回でも大目に見ておくんなましよ神様仏様。
お賽銭にしたって、10000円でも1円でも「お気持」として認めるなら、「無し」でも仲間に入れてあげておくれ。
遠く離れて参拝できずとも、手土産やお賽銭なしでも、都合のいい時だけ心の中でひたすらに祈り願うだけの自分本位で愚かな人々であっても、分け隔てないお恵みや赦しを。
神仏にはそうあってほしいものだと願いつつ、特定の神仏とは深い仲にならないまま今に至るワタクシであります。

来週からもご贔屓のほどを。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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