物流よもやま話 Blog

新オフィス・別屋号「まいとし屋」

カテゴリ: 信条

本社機能を移転しましたことを本ブログでもご報告いたします。
新しい元号「令和」とともに新しい環境。
まだ各届け出や事務的な追加・変更などが間に合っていないのですが、ついに長年の希望だった労働環境を実現できました。
今後、スタッフは基本的に在宅勤務。
集まっての打合せが必要なら関与するメンバーだけが出社してのミーティング。
そして何よりも、働く場所での食事や休憩は、自宅の生活に近い、もしくは自身の好きなようにできるという緩い時間割。
そこそこ広い台所でフライパンや鍋で食べたいものを作ったり、ダイニングスペースで賄いおかずなどと一緒に持参の弁当を食べたり、仕事の合間に個人的な用事や用件を片づけたり。
のようなイメージのロジ・ターミナル新オフィスであります。

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新しい事務所にはオフィスビルではなく住宅を選んだ。
四角いので一般的な戸建住宅よりは無機質な雰囲気だが、それも好ましかった。
内装は淡色の建具で施工されているので、温かみと丸みがあって気に入っている。
事務スペースの先にはウッドデッキのゆっくりしたベランダがあり、気候のいい季節には外での打合せや休憩や食事や仕事終わりの楽しみにも貢献してくれるにちがいない。今回の移転にあたり、選定理由の一つとなった場所なので「一年一年地道に過ごせますように」という切なる祈りを込めて「くつろぎ処・まいとし屋」という屋号の記された渋い木製看板をベランダの内側に掲示したいと思っている。

他にも新しく格好のいいビルの貸事務所を幾つか内見したのだが、雑居のオフィスビルで共用部分の利用というのが気詰まりで、かつコストもそこそこかかる。
そもそもが前事務所に何の不満もなく気に入っていたので、移転にあたってはかなり迷った。駅から徒歩1分という立地も申し分なかったし、5mを超える天井高と多数の天窓と傾斜した天井が醸し出す雰囲気も大好きだった。
しかしやはり長年の願いを叶えたいという気持ちが勝り、今回の移転が実現した。

事務所コストとしては抑え気味にした。そのうえに普通のオフィスビルの一室よりもはるかに快適に仕事ができそうだと思っている。ランニングコストなども割安である。
倹約するのはあたりまえのこと。
「床」や「共益費」に体裁相応のコストをかければ、結局は販管費が上がり、顧客へのサービス提供料も下げにくくなる。そんなことは本末転倒で、顧客へのコスト転嫁を最低限に抑えたうえで、できるなら少しばかりでも自身を含めたスタッフに還元したい。労働環境や福利厚生の充実や合理性は、顧客へのサービス向上につながると信じている。
きれいごとではなく、お金の遣いかたについての価値観と本音。
弊社のような小さな所帯の会社にはそれが合っていると考えた。

駅からは数分遠くなったが、歩くには苦にならない。
(近鉄・藤井寺駅からかなりのんびり歩いても7分ぐらい)
あいかわらず古墳も近い。仲哀天皇陵が至近になった。
(あれが仲哀陵って、ホンマなのかなぁ~。実は雄略天皇陵なのではないのか?現在の雄略陵はあまりにも小さいし単純な円墳。格付けとしても違和感だらけ)

ボードや机や会議テーブルがちょっと合わないことが「うーん」だが、買い替えするにはもったいないぐらいきれいで、何の問題もないのでそのまま。
お客様が来訪されることなどない商売だし、いわば「身内」である協力会社さんとその他取引先ぐらいがたまーにやってくる程度なので、あんまり体裁にこだわる必要もないかと思う。
近所には格安の時間貸し駐車場がたくさんある。車での来訪者にはよいのではないかと思う。

積年の願いとなったきっかけは、とあるテレビ番組だった。
それはNHKの「サラメシ」であり、その画面に映るいくつかの少人数の会社や店舗のスタッフが、まるで自宅の居間のような柔らかい空気の空間で仕事をしていたり、ダイニングスペースで弁当や賄い飯を美味そうに食べている。
そんな場面を何年にもわたって観続けてきた。
いつからか「いいなぁ」が「こうありたいものだ」に変わり「こうしよう」と進んだ。
その結果が今となった。
ここまで思い切れなかった優柔不断な自分が悔やまれる。
「会社」や「オフィス」の固定されたイメージに支配されていたので、頭がカチンコチンに固くなっていた。
中身と結果で勝負する仕事なのだから事務所の構えや立地はどうでもよいことなのだ、とわかっていながら思い切れなかった。
今回踏み切らなかったら、後年に絶対悔いていたと思う。

会社概要の代表者挨拶にも記してあるが、「振り抜くような仕事」を貫きたいと思っている。
損得その他の結果を事前に勘定して、当てにいったり見送ったりすることはもうしたくない。
基本的には振り抜きタイプなのだが、今までは全部が全部そういうわけにもいかなかった。
会社で多くの人間が口をあけて待っているし、多少の迎合や不本意や俯きは、責任を負う者の義務だと納得しつつ働いてきたつもり。
なので、現役で働ける残りの時間はやりたい放題にしたいと思う。
無茶苦茶で破天荒なことではなく、「本当のこと」だけを口にし、記し、行動する。
それが私自身の「The Code」だと決めている。

あくまで心の中にある本音のハナシだとご理解いただきたい。
こんなことは普段口にしないし、ビジネスの入口から出口までを冷静に淡々とこなしている。

ロジ・ターミナルの在り方の正誤は、まだ誰にも判らないだろう。
望んで、考えて、決めて。
その行く末に何が待っていようと恐れることはない。
私は功や成を自身に課して、自尊の気位を求め続けるようなご大層な人間ではない。
「人間、座して半畳寝て一畳」だと思っている。

著者プロフィール

永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。

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