何のハナシかというと、中長距離ドライバーの年齢についてである。
とはいえ、正当な統計的根拠やきめ細かいヒアリングを経て書いているわけではない。
なので全部を真に受けたり鵜呑みにしたりせぬように、と先にお断りしておく。
関与先現場の納品車両のドライバーは相変わらず50代~60代あたりが最多層となっているが、ほんのちょっとだけ30代やごく稀に20代とおぼしき若者が混じるようになってきた、、、ような気がするので、さっそく荷受担当の方に尋ねてみた。
「明らかに増えていると感じるのは30~50代の女性ドライバーですが、かすかながら30代かそれより下の男性ドライバーが増えてきたような気がします」
とのことだった。
はたしてこの傾向は基調となりつつあるのか、はたまた一過性なのか、いやいやそもそもが特定企業で起こった局所的な“たまたま重なっただけですよ”なのか。
大型トラックの中長距離便では女性ドライバーの数が増加している。
そして遅ればせながらも若い男性の運転手をよく目にするようになってきている。
と感じているのは私だけはないようで、関与先に出入りしている現役ドライバー諸氏に確認してみた結果、「若い人の入社が目立つようになってきている」とのことだった。
やっぱり働きかた改革による労務順法厳密化と待遇改善の合わせ技は奏功しているのだ――あくまで「一部の運送事業者で」という但し書き付きではあるが。
報道のとおり、新政権下では新税制や社会保険加入要件の大幅改変が実施される。
一からげにしてモノ言えば「所得税減税するのだから消費税上げますよ」「年金は原則として受給者資格者全員に積み立ててもらいますよ」というハナシになりそうだ。
なので文句のある方々は次の選挙で行動すればよいし、許容する方々はとっとと現役期間の世帯収支とリタイヤ後の世帯年金受給額を試算の後、働きかたの選択をなさればよい。
この手のハナシは物流や製造の現場で切実さを伴って話題となるので、管理者諸氏は本社の管理部門から詳細正確な情報を得たうえで、受け持つ現場従業員の質問や疑問に回答できるように準備しておかねばなりませぬ。
「ちょっと本社に訊いてみるわ」的な回答は怠慢と誹られてもいたし方ないだろう。この類の不勉強は現場を支えてくれるスタッフに対して責任感に欠けているし失礼でもある。
かように配偶者控除や世帯内節税・社会保険料減免の制度が改変してしまえば、今まで潜在状態だった労働力が姿を見せ始めるのでは?と見込む経営者や採用責任者は多いはず。
それは物流現場においても同じだろうし、労務順法の厳密化は就業忌避要因の排除を後押しするので、年齢性別を問わない就職希望者の増加が大いに期待できそうだ。
その兆候が「中長距離ドライバーの若返り」であると希望的観測多めで書いている。
悲観は不毛でしかなく、嘆いたり諦めてばかりでは何も始まらぬ。
なので、好事例や明るい兆しを見逃さず、世間話や現場広報で積極的に取り上げて歓んでほしいと願う。雰囲気作りこそが呼び水効果のイロハのイであるし、報道や口コミでの実態開示は「思い切って求人に応募してみよう」という動機付けに有効ではないだろうか。
いいハナシは大騒ぎしてあちこちで言いふらしましょう。
というのがワタクシの意見であります。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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