アマゾンは置き配の普及を強烈に推進している。
はたしてそれが「サービス」であるか「やまれぬ事情」であるかの評価は立場や観察地点によって異なる。
受領者の便宜と発送者の合理性が相反しないなら「サービス」で障りないが、必ずしもそればかりではなさそうだ。
一般の方々に限らず、物流関連の人間でも「ややこしいなぁ」と眉をひそめることがいくつかある。
たとえば「入荷」に関しての言葉がそれにあたる。
掲題の入荷待ち、入荷予定、入荷次第は微妙に違うのだが、表記や意味のみならず、現場によっては時間や作業区分の違いにまで及ぶ。
紛らわしいことは不親切であり、誤解や不信の元となりかねない。
ロケーションの切り方は入出荷作業に大きく影響する。
したがって、保管物によってはたいへん悩ましい。
現場責任者や担当者は「どうすればいいのか?」ではなく「どちらにすればいいのか?」の岐路に立って唸る。業務フロー設計者が別にいる場合でも悩ましいことに変わりない。
前々から違和感を抱き続けてきたのだが、やはり書いておきたいことがある。
それは今やあたりまえのように用いられる「EC物流」という言葉についてだ。
私自身も記事作成や商談相手との会話の便宜上、結構な頻度で使用してきた。しかし、その都度「やっぱりなんかヘンだよなぁ~」と引っかかっては、黙殺するようにやり過ごしてきた。
商売柄と性分からか、日常生活でも物流がらみのあれこれに目が行ってしまう。
最近では3回続けて同じ場所で、
「なんであんなことをしているのだろう?」
「そうでなければならない理由でもあるのか?」
「こうすればいいのに」
などとモヤモヤしつつ立ち止まって作業者を凝視しながら「うーむ」と唸っていた。
駆け寄って矢継ぎ早にヒアリングしようとしている自分に気づいて、毎度のことながら肩をすくめてしまった。
今年も酷暑の日々がやってきた。
エルニーニョ現象が6月で終わり、今季の台風発生数は例年並みになるらしい。
10月までは夏季と表現してしまいそうな気象の実態にうんざりしてしまう。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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