この時期になると新入社員研修の話題を見聞きする機会が増え、プログラムやカリキュラムについての質問などを受けたりもする。
大多数の企業の新人研修では、倉庫見学と建屋概要・在庫総量・入出荷概数の説明程度で、物流戦略や事業価値の説明にまで踏み込むことはない。
理由についても「一定のキャリアを経た後でないと、物流機能の各論は理解できないから」といった内容が概ねを占める。
不肖ワタクシも研修の講師などを務める。
しかしながら、その種別としては経営層及び管理者への「物流戦略」「物流価値」についての経営マター、異動者向けの「物流専門職養成プログラム」を担当することが圧倒的多数であり、新入社員向けの物流の基本や概要説明的な時間割には縁が少ない。(関与先では物流部門の中堅クラスが講師を務めることが多い)
物流戦略の重要性や自社の物流事業価値の試算、、、などを新卒者や異動間もない若手社員に講義する前に、もっと基本的な知識や事業機能全体の理解のほうを優先すべきなのは当然だ。
「礼儀」「倫理」「「商材」「商流」「順法」「労務」「組織」…書出せば結構な数になる「社会人であり企業人である」ための研修には時間と手間を惜しんではならぬと思う次第だ。
さほど多くない新人研修での講師経験ではあるが、その企業の経営層からお褒めの言葉を頂戴したハナシがいくつかある。
なかでも印象的な反応が例外なくあったのは「誤出荷の生まれる場所-物流現場の地震みち」「どうして物流業務は人気がないのか」というふたつの演目。
同じネタを何度もやるので「なんか落語みたいだなぁ」とよく思う。
「あぁ、あのハナシね」と思い出される読者諸氏がいらっしゃるかもしれない。
この手のハナシをする際は、社会人経験のない新卒者や業務経験の浅い若手社員に平易丁寧に向き合いつつも、最後席でニコニコしつつ聴いてくださっているエライ方々に刺さる言葉や事象の因果関係に言及する展開が途中に忍ばせてあるのが常だ。
ハナシの終盤ではエライ方々の顔つきが厳しくなっている、、、というのが数多い反応だった。場合によっては多少の波風が立ってしまうこともあるが、毎度「雨降って地固まる」の顛末となるのが常、も蛇足ながら添えておく。
掲題の「誤出荷の生まれる場所」については、長くなりがちなハナシなので、題名にしておきながらも詳細は割愛してしまいました。恐縮ですが過去記事をご参照くださいませ。
何度も書いているハナシなので、関連する言葉で検索いただければ結構当たります。
ちなみにヒット数が多い記事は以下です。
検索結果には他所への寄稿文や講演ログもヒットしますので、併せてご参照くださいませ。
横着ばっかりで申し訳ございません。どうかお赦しを。
花粉まじりの黄砂のせいで、例年どおり体がだるいワタクシであります。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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