物流コンサルの会社はたくさんある。
ペン(今はPCか)と口だけで勝負している会社もあれば、3PLであったり、倉庫会社がサービス拡張して、システム開発まで手がけていたり。
各社それぞれにメニューが凝っていて、「できる。デキル。出来る」「実績・信用・歴史」
などのような、誠意と熱意と規模と顧客羅列による連想訴求と商売してきた年月と。
あとは手垢のついた文言のテンコ盛りでWEBはギュウギュウ詰め。
かえって見難いんじゃないかなぁ、、、と独り言をつぶやいている。
しかしながら、なぜそうなるのかは痛いほど分かる。
自分がその会社のWEBサイトを制作したとしても、似たようなものになるに決まっている。
全社の提案や指摘は全て正しいに違いない。
なぜなら個性的で革新的な提案をしたくても、提案先の問題点はたいして違わないし、改善後の姿をお絵描きしても、やっぱり似たり寄ったりにしかならない。
こうなってくると、キャッチコピーの作り方や、グラフや画像などの装飾競争になってしまうのではないか?
と、そういうことに全く興味がない私は、引き気味で眺めているのみなのだが。
事業会社のニーズは顕在化しにくい。コンサルや物流各社のメニューを検分しつつ、自社に適当なものを選り分けられる閲覧者は極めて少ない。
問合せは「なんとなく」行われている。
全体的にいい感じだったので。
親身にハナシを聴いてくれそうだったので。
会社に近くてしっかりしてそうだったので。
載ってる写真が綺麗だったので。
どこかで聞いたことがある会社だったので。
こんなのが多い。
全部というわけではないが。
Q:お問合せフォームに物流改善が必要とありましたが
A:最重要事項と会社から言われています
Q:では早速ヒアリングに進ませてください
A:いや、まずは情報収集したいのです。単価表はありますか?
上司に報告しなければならないので。
…………………… ・ …………………… ・ …………………… ・ ……………………
Q:怪我や病気になった時の備えとして、今回のお問合せなのですね?
A:そのとおりです
Q:では早速、プランのご希望をヒアリングさせていただき、見積作成を
A:いや、まずは自分でいろいろ調べ、家族とも相談したいのです。
プラン別の月額保険料はありますか?
なんだ、物流と保険って似ているではないか。
明日怪我したり病気になったり死んだりすると思っている人はいない。
明日自社の物流がものすごい業務事故に見舞われたり、委託先との大きなトラブルが生じ業務停滞するなんてあり得ない。
潜在需要の典型ということだ。
潜在ニーズは膨大だが、顕在化するタイミングが外からは読めない。
営業泣かせなのかもしれない。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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