全国旅行支援(全国旅行割)の効果絶大らしく、各地で観光旅行客が急増しているのだとか。報道やWEB情報で見聞きするまでもなく、近畿各地でもその影響を実感することは多い。
長く閑散としていた観光地や道の駅に、レンタカーや他ブロック県ナンバーの自動車が数多く停車し、観光バスの御一行様プレートが遠方からの団体名であることも珍しくはない。
そのような盛況に安堵しつつも、一気に盛り返そうと騒ぎすぎたり欲をかきすぎたりして、すぐに失速や中断するようなお粗末だけは回避願いたいと案じてもいる。
多くの読者諸氏同様に、国土交通省のWEBを閲覧することが年に何度かある。多くは資料収集や確認のために必要に駆られての行動なのだが、正直言ってあまりオモロクない。
仕事でなければ訪問することはない--というのが本音である。
かといって国交省のWEBが楽しさ満載で、用がなくても毎日訪問したくなるのじゃぁ~、、、というのも「それはそれでどやねん」とツッコミたくなるのだが。
しかしながら掲題のとおり、GoToトラベル事業以来、今回の全国旅行支援事業に至るまで、旅行好きのワタクシには楽しく面白く読み込み甲斐のある官庁WEBとなっているのが「観光庁」のサイトなのだ。上部組織である国土交通省のWEBにある運輸や倉庫関連項目ではありえないほどの好奇心と熱意と集中力をもって閲覧している。回りくどい説明や何でもかんでも脚注に並べる、といった官庁らしい「わかりにくさ」を解読することもあまり苦にならない。
むしろそれすらも「旅の楽しみ」「お得情報の正しい理解と自己利益享受のための手順」として前向きに取り組んでいる次第だ。
私利私欲の集団化こそが消費活性策の本丸であると考えている。
歳費の遣いかたとしての議論があることは承知しているが、とにもかくにも全国各地で人流を発生させ、金流を呼び込む作用を国が仕掛けることには賛成だ。
ヒトとカネが動けば、必ずモノが動く。つまり物流業界にも暖かい風が吹くはずなのだ。国交省の観光施策は奇しくも同庁内で管掌する物流業務にも寄与する転結を生み出す。なのでできる限り皆で盛り上げようではないか、できれば長く続けようではないか、と応援している。
で、2日からまたもや飛び石連休。人によっては4連休。
9月に続いて大型連休がやってくる。豪華な宿泊施設や高額な移動手段ではなくとも、旅の楽しみ方はあれこれと自作できる。
若い頃から「とりあえず行こう」を第一において全国各地を旅してきたので、そのあたりは自信をもって「行けばそれなりに楽しいですよ」とお勧めしたい。
個人的に最も避けたいのは、計画にこだわりすぎて行動に移せないことだ。
以前書いたハナシの中に「ゼノンの運動否定理論」が出てくるのだが、旅の計画と実行への熱量配分間違いはまさにそのパラドックスに例えるのが解りいいのではないだろうか。
ゼノンの運動否定理論――俗にいう「二分法のパラドックス」は永遠に中間点を目指し続けるために、結果としてまったく動けない物体を考察した論理的帰結だ。
アリストテレスの反証を待つまでもなく、そこらのガキんちょが中間点の目測を止めて、一歩踏み出した瞬間にこの理論は破綻する。
しかしながら現実の世界では、ゼノンのパラドックスにも勝る不可解な停止状態を続ける事物は珍しくない。(コボットの惑星-第3章 テセウスの船、より抜粋)
思考や行動は人それぞれゆえ、上記のような理屈が必ずしも正解だとは思っていない。しかしながら研究模索が過ぎれば、余分な時間とエネルギーが消耗されるような気がする。
ある程度調べ、計画を思いついたら、あとは出たとこ勝負でもいいのではないか、、、もちろん人それぞれの性分次第で可とも不可ともなるのだろうが。
閉塞経済・閉塞生活を強いられる今であっても、未知の場所、再びの地を訪れることは絶やさないで欲しいと願う。目指す場所が遠方である必要はなく、生活圏から出てしまえば相当に新鮮さや非日常があると思う。特に徒歩での散策や自転車移動では足下や目先の小さな発見がいくつもあるはずだ。
予算が許す方々は、是非遠方への旅行を。
今現在「計画予算満了」の自治体も、追って旅行支援の追加予算を組むはずなので、とりあえず何か所・何パターンかのあてをつけておけばよいではないかと思う。
文字検索に先駆けて、まずは日本地図を眺めてみてはいかがか。
けっこう楽しいし、意外な発見に続いてひらめく何かがあるかもしれませぬぞ。
どうかよいご旅行を。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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