先日発表された気象庁の中短期予報によると、ラニーニャ現象が発生している影響で、日本列島の今冬は厳寒となるらしい。関西から九州にかけてはその傾向が特に強いようだが、全国各地でも警戒が必要であると報じられている。
時には災禍となる地震・高潮・大雨・強風・酷暑・低温・大雪・路面凍結、、、いずれも物流業務にとっては警戒と対応の事前準備が欠かせない情報である。
可視化も可聴化もできない酷暑と路面凍結については、直近の予想気温や現在の体感によって対策や行動の具体を決めることが専らとなっている。
急激な天候変化への対策として、最近はピンポイントに絞り込んだ気象予報をきめ細かく把握できるようになっているものの、「で、どうすればよいのか」を決定する際には、往々にして過去の経験値がものをいうことが多い。特にいきなりの状態で体感し、対応を迫られる場合には、判断の遅れや実施の躊躇が、事故や被害の未然防止を妨げることになりかねない。
夏季の過酷な高温は人間の生理的許容をもはや超えているので、精神論的我慢は一切捨てて、屋外や空調のない屋内での作業自体を避けることが最善の対策といえる。
そして今冬のような警告レベルの低温が予測される場合には、降雪や凍結による道路や鉄道の危険予測を入念に行っておく必要がある。
、、、と書いてはいるものの、大阪育ちで東京暮らしが長く、今も主として近畿圏で活動する私には、豪雪地帯や氷点下での交通往来が珍しくない地域の日常に実感が持てないというのが正直なところだ。
スキーなどのウインタースポーツにも無縁の人生なので、実はタイヤ・チェーンどころか、スタッドレス・タイヤさえ自分の車に着装したことすらない。
したがって、アイスバーンもしくは薄っすらながらも凍結した道路を運転した経験などもあるはずなく、今年のように「ラニーニャの冬は厳寒。降雪や路面凍結にはくれぐれもご用心」などと注意喚起されると、激しく動揺してしまう。
「早々にスタッドレス・タイヤに履き替えるほうがよいのだろうか」「凍結するようなルートを避け、遠回りでも迂回して目的地に向かえば大丈夫」「アポイントの時間をずらして、早朝走行を回避すればよい」などとあれこれ想を巡らせてみるが、これを書いている今となっても方針決定できていない。
真夏の35℃から5℃を冬場に付け替えれば万事うまく収まるのになぁ、、、と現実逃避の言葉ばかりをブツブツ言っている体たらくなのだ。
とかなんとか言っているうちに、仕事以上に悩ましいモンダイが脳裏に過る。
冬の山陰から若狭、越前にかけての日本海沿岸の各地には魅力が多い。以前から「いつかはドライブして巡りたいものだ」と密かに想いを馳せてきた。まだ運転に支障ない年齢のうちに、他者に倣って、ここは思い切って初スタッドレスを、、、と思ったりもする。
が、春先に夏タイヤに履き替えて、外した冬タイヤは保管して、、、また晩秋の頃には履き替えて。これがずーっと続くのは嫌じゃ。
お金も手間もかかるし、そもそもどれぐらいの頻度で凍結や降雪を案じなければならない道路を走るのだろうか。そんな場面は今までの人生で数えるほどしかなかったのに。
じゃぁ、冬タイヤ装着済みのレンタカーにすればいいではないか。
いやいや、やはり自分の車で行ってみたい。
そもそも本当に行くのか?
まさに優柔不断の極みと自覚しているものの、なかなかスパッと決め難い。
「ラニーニャであっても、頻繁な大雪や毎朝のように路面凍結するはずがない」
と内心ではかなり強く決め込んでいる。
「大雪なら外出しない。冷え込み強く、路面状態が不安ならば出発時間を遅らせる」が妥当な線だろう。
というわけなので、関係各位にその旨をお知らせしておかねばならない。
この分では、雪景色の日本海沿岸をドライブ、、、は遠のくばかりなのだ。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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